奥穂高岳〜西穂高岳2010年9月5日(日)/快晴
新穂高温泉(0:00)---荷継沢(2:55)(3:05)---奥穂高岳(5:45)(6:00)---ジャンダルム(7:00)---間ノ岳(8:55)---西穂高岳(9:50)(10:00)---西穂高口駅(12:25)


岩稜を行く

久しぶりの遠出は
年初から計画していた奥穂高岳・西穂高岳日帰り縦走。
岩稜が苦手で奥穂高・西穂高縦走はずっと敬遠していたのだが、
北アルプスで日帰りできるところはあらかた登り尽くしたので、
いよいよ未踏の奥穂・西穂間を覚悟を決めて挑むことにした。
「山渓」7月号で岩稜特集をやっていたので、何度も読み返し、
自分なりに周到に準備して挑むつもりだが、どうなることか。



前半の白出沢の登り、これが辛い。
岩がゴロゴロする白出沢の登りはヘッドランプだけが頼り。
でも、ヘッドランプの明かりだけでは、薄い踏み跡を外してしまう。
外した踏み跡を探していると時間がかかって仕方がないので、
踏み跡に拘泥せず、自分の足元をしっかり見て、
浮石に気をつけ、黙々と白出沢を登りつめる。
かなり時間がかかったと思ったが、
穂高山荘には予定通り5時10分に着く。
今まさに日の出が始まるところ、
多くの登山者がカメラを構えて待機していた。



涸沢・北穂・槍が赤く染まる。



奥穂高岳で汗に濡れた靴下を交換。
ここからはストックが邪魔なので、ザックにしっかり括りつける。



左に霞沢岳、右に焼岳、その間を梓川が流れる。
その先には乗鞍岳・御嶽山が望める。
気持ちのいい朝、
無風快晴で、いい縦走日和になりそうだ。



ジャンダルムと笠ヶ岳の間に奥穂高岳の影が映る。
その後方には薄っすらと白山も見える。
「山渓」の参考コースタイムでは奥穂・西穂間は5時間10分。
さて、そろそろ出発するか。



「山渓」のレポでは一番の難所と書かれている馬ノ背の下りだが、
さほど恐怖感もなく、すんなり通過。



ロバの耳のトラバースと直登。
岩場通過の基本テクニックは知識としてはあるが、
最近、いい加減にやっていたので、
「山渓」付録のDVDでしっかり復習してきた。
その効果は大。



このコースは山登りをする人には憧れのコースらしく、
今日が初めてという老若男女で一杯。
みんなしっかりした足どりだが、
いかんせんスピードが遅く、すぐ渋滞する。
ジャンダルムは左から巻き…



裏側(飛騨側)へ回り込み、登る。
みんなが山頂からの展望を楽しんでいる間に、
こちらは早々に下山。
少しでも先に行き、渋滞を避けたい。



意外と近くに西穂高岳が見えるが、
連続するアップダウンをこなさなければならない。
ここからは体力勝負だ。



天狗のコル手前で休憩している最後の団体さんを追い抜く。
やっと渋滞を気にせず、マイペースで歩ける。



天狗の頭を過ぎると…



楽しみにしていた逆層のスラブの下り。
この春、登山靴のソールを張り替えたばかりなので、
ソールの摩擦がよく効き、すんなり間天のコルへ。



岩場歩きの連続で足の裏が痛む。
またアクエリアスの飲みすぎで、
のども痛み、声が出にくくなってきた。
このコースでは間ノ岳付近が
2004〜08年の5年間、6〜10月に起こった遭難事故最多発生地点。
少し休憩を取って慎重に行こう。



間ノ岳付近は
取り立てて難所と言うわけではないが、
このあたりで疲労のピークに達し、
滑落する人が多いのかもしれない。
長い岩稜歩きも後わずか、
最後まで気を抜かずに慎重に行かなければ。


西穂高岳

よじ登り、歩きぬき、とうとうここまで来た。



奥穂高岳から3時間50分。
長かった〜。
振り返ると、長い縦走路に雲がかかり始めた。



一般道では最難クラスといわれる奥穂高〜西穂高だが、
緊張することもなく案外簡単に通過できるので、
これではいけないと思い、
終始、慎重に、慎重にと自分に言い聞かせながら歩いてきた。
何はともあれ、最高に楽しかった!
天候に恵まれ、眺望は素晴らしく、久しぶりに山歩きを堪能した。


GPS軌跡